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『糟糠の妻は蜜の味?~相続法大改正の動き』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1482

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01 ┃本日のコラム -
  ┃『糟糠の妻は蜜の味?~相続法大改正の動き』
━━┃…………………………………………
  ┃  / 重村達郎(弁護士)
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 法務大臣の諮問機関である法制審議会の
相続部会が、高齢化社会にあわせた
相続制度の見直しの観点から、個人の配偶者
が住まいや生活費を確保しやすくなること
などを柱とした民法の改正要綱案を先頃
まとめ、この通常国会に民法改正案として
提出するとの報道がされています。

要綱案によると、住宅の権利を「所有権」
と「居住権」に分割し、配偶者は居住権を
取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に
渡っても自宅に住み続けることが出来るように
する、とのことです。

 この場合、居住権の金額は、配偶者の
平均余命などから算出され、高齢なほど安く
なり、その分、これまでより多くの預貯金を
配偶者が相続出来るようにすることが
考えられています。

 これまでは、預貯金などの財産が少ない
場合、事実上、ほとんど唯一の資産である
自宅を売却して遺産を分割せざるを得ず、
配偶者(自宅は夫名義になっていることが
多いので、家庭の主婦が主な利得者ですが)
が退去せざるを得ないケースがあったので、
これに配慮したものとされています。

 また、結婚して20年以上の夫婦で、
配偶者が生前贈与を受けた場合、自宅は
相続人が分け合う遺産の相続から除外される
ことがもくろまれています。

 離婚しても親子関係は切れませんが、
夫婦は別れれば他人、離婚に伴う財産分与と
して夫名義の自宅を譲り受ける場合には、
一定年数以上の婚姻期間があれば、税額控除
などの税法上の特典がありますが、
そこまで甲斐性のあるケースはむしろ少ない。

 しかも、今回の改正案では、事実婚でない
場合には相続の対象外とされているようです
から、妻(資力のある妻と結婚した夫でも
いいのですが)側からすれば、熟年で家庭内
離婚の状態になっても、今後の経済的な
生活を考えると、戸籍上の「妻」(ないし夫)
の座に固執し、離婚を拒否する、ないしは
少なくとも20年間は離婚しないと頑張る
傾向を助長する結果になるかも知れません。

 あくまで結果論ですが(と強調)、死ぬ
程好きなお方でも「妻」という字には勝て
やせぬ、という都々逸の状態ですね。

 また、今回の改正要綱案では、相続人
 以外の親族が介護などをした場合、相続
 する権利がなくても、遺産の相続人に
 金銭を請求できる制度も新設されるそうです。

 現在でも寄与分制度はありますが、
相続人に限られているからです。

 この場合の親族は、6親等以内の血族と
甥・姪等3親等以内の配偶者が相当し、
たとえば、義父を介護してきた「息子の妻」
などが対象に想定されています。
が、ここでも、事実婚や内縁など戸籍上
の親族でない人は請求できないとされて
いるようです。

 こうしてみると、高齢化社会にあわせ、
相対的に経済的な立場の弱い妻や介護に
あたる「息子の嫁」などを保護しようと
する志向はわからなくもないのですが、
どこか、「あるべき家族像」を助長する
ような感じが否めません。

 事実婚や内縁は一切、相続に関して
は蚊帳の外というのは、それこそ、
これからの高齢化社会において、真に
愛情をもって面倒を見る人には無償の
奉仕を強いるもので、益々、「家族」との
亀裂を拡大する事になるかも知れません。

 もっと、自由に、本音で生きやすい社会
にするために、「家族」とは何か、という
ところから、本来、議論した上で、
相続のあり方を含めた法制度を考えていき
たいところです。

 たしか、フランスなどは事実婚が1/3程
もありますが、それでも市民社会や家族が
瓦解しているとは聞き及びませんが・・・

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com
 事務所HP・個人HP 各名前で検索してください
京都大学法学部・経済学部卒
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