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『スルガ銀行の不正融資と金融政策の疲弊』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1574

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■━━━━━━[vol.1574] 2018/06/13 ■

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01 ┃本日のコラム -
  ┃『スルガ銀行の不正融資と金融政策の疲弊』
━━┃…………………………………………
  ┃  / 重村達郎(弁護士)
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 この原稿がアップされる頃には、歴史的な
米朝首脳会談の「成果」が喧伝されている
ことでしょう。非核化の進展はさておき、
会談の開催自体を手柄としたい両首脳の
中間選挙、又は体制保証に向けた国内事情
がありますから。

 国体の護持を条件にポツダム宣言を受諾し
「無条件降伏」をした日本は、見事平和国家
への転換をなし、戦後の経済成長と国力の
大発展を遂げたのですから、いつまでも
最大限の圧力ではなく不信の塊をほぐす
努力が必要です。

 もし会談で朝鮮戦争の終結が合意
されるのであれば、理論的には、休戦協定
の発効―平和条約の締結を待たなくても、
朝鮮戦争時の国連決議に基づく国連軍と
しての在韓米軍駐留の有力な法的根拠が
崩れます。

 ひいては、朝鮮半島の緊張緩和,
統一への動きが加速すれば、中ロを仮想
敵国とした在日米軍の撤退―基地再編
へと連動するはずで、アジアにおける
冷戦構造の崩壊に向けた歴史的な転換点
になります。

 このような中で何とも情けないのが
国内情勢です。相次ぐ公文書の改ざん
や大企業の不正行為の発覚に共通する
のは、政治における流動性の欠如が
巨大な忖度の塊となって民主主義と
自浄能力の欠如を生み出していることです。  

 スルガ銀行によるシェアハウス
融資における不正行為は、ゼロ金利
政策の長期化で金融機関全体の
体力が弱っている中で、中小の銀行
が無理な融資に手を染めざるを
得なくなっている一端が反映されて
いるように思えます。

 何せ、金がジャブジャブ余って
いても、起業や技術革新・設備投資
に向けた資金需要が少なく、本来の
銀行業務でなかなか利益が出ません
から、少子高齢化と低金利時代に
あって、小金持ちと相続予定財産は
格好の餌食です。

 テレビでもよく宣伝されている
不動産投資は甘くはありません。
建築会社と組んだ長期にわたる
はずの家賃保証も条件付きで、
途中で打ち切られることも多く、
そうなるとコンビニの経営と
同じでローンの返済が大変です。

 しかし、こうした背任にも近い
不正融資の横行に、相応の報酬を
もらっているはずの社外取締役や
監査役が何らかの正当な監視機能を
果たした様子はうかがわれません。

不正をした企業の株価は低迷して
株主はいい迷惑です。

 メガバンクでさえ、今後、数万人
の単位で人員を削減し、かつ、支店
の統廃合はおろか自動預金機の
共同利用も取りざたされるほど、
金融業界における業績の見通しは
厳しいものがあります。
それでも、大卒文系の就職希望では
商社と共に毎年上位を占めるの
ですから、時代を見通すことは難しい。

 世界が大きく動こうとしている
のに、今どこに希望があるのか、
お金のためではなく、真に命ある
もの、誠実なもののために
働きたい人は、何をめざしたらいい
のか、答はまだ風の中にあるようです。

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com 
 事務所HP・個人HP 各名前で検索してください
京都大学法学部・経済学部卒
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