『値上げ交渉の仕方』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1344
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■━━━━━━[vol.1344] 2017/08/01━━■
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01本日のコラム -
値上げ交渉の仕方
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松澤 和重(株式会社CNETメディアサービス)
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ITサポーターの松澤です。こんにちは。
今日から8月です。各地で不順な天気が続きますが、体調管
理に注意して夏を乗り切りましょう。
先日、5年ほどITサポートの契約が続いているお客様の値
上げに成功しました。値上げ幅は2倍です。そのお客様の状
況は、契約当初と比較するとPCの数もほぼ2倍になってい
ますので、理屈から言えば2倍になってもおかしいことはな
いのですが、2倍の値上げをお願いするのは勇気が要ります。
もし交渉が不成功に終われば逆に契約自体がなくなってしま
う心配も抱きます。
零細企業がうまく価格交渉できないのはほとんどが契約を失
うかもしれない恐怖があるからではないでしょうか。当社も
例外ではありません。
スタートアップ企業は、価格に対して過剰なサービスを他社
よりも低価格で提供することで契約を獲得します。契約数や
仕事量が増えてくると、サービスを維持するためにコストが
かかりますから、当然費用も大きくなっていくはずです。よ
って、既存契約であれば値上げを、新規契約であれば過去契
約よりも高い料金設定となっていいはずですが、なかなかそ
うならないのは、ほとんどが自社の価値基準(=強味)を正
確に判断できていないからではないでしょうか。
今回の値上げ交渉を例にとると、交渉にあたる1ヵ月前に、
偶然以下の経営者向け教育のテキストとDVDの紹介を受けて
目にしました。
『繁盛貧乏からの脱却を!貴社も患っている5大疾病!』
SP経営会
結局は精神論だろうと思って疑い深くDVDを見ましたが、
視聴後の感想としては予想外に参考になるものでした。
また、紹介してくれた先輩経営者は、「経営」について考え、
全部ではなく興味を持った箇所だけを参考にすればいいよ、
という考えで紹介してくれたようです。
その中で印象に残ったのが「資金調達の考え方」と「価格」
についてでした。特に値付けについてはいつも頭を悩ませる
問題であっただけに、とても参考になりました。
単純に言えば「安売りはするな」ということですが、もしこ
の教材を見ていなかったら、先に紹介した今回の価格交渉は、
2倍はいくらなんでも受け入れられないだろう弱気な考えか
ら最初から1.5倍で交渉していたと思います。
その代わり、なぜ2倍に値上げするのかという論理的説明を、
当初契約の経緯から遡って整理しました。
価格については以下の3点から検討しました。
・実費に対して妥当か(対応履歴と工数のカウント)
・相場に対して妥当か(他社比較)
・価値は何か(お客様の成長に貢献してきた)
先の例でいうと、単純にPCの数が2倍だから価格も2倍、
の説明では工夫が何もありません。もっというと、数が2倍
になると付帯する管理コストはもっと増えるので、2倍以上
になってもおかしくないのです。2倍というのはそれでも工
夫している結果だと考えます。よって、一番重要視したのは、
お客様にとっての当社サービスの価値感についてです。
お客様の業績はここ数年で大きくなっていましたので、大き
な事故もなく、ある時はピンチを救い、そのITを支えてき
た価値を主張しそれが認められたと思っています。
最後に大前提として、自社サービスの強みや他との差別化が
きちんと定義できていることが最も重要であることは言うま
でもありません。
たまたま薦められた書籍がいいタイミングで効果を生みまし
た。偶然かもしれませんが、適切な助言や参考意見が見聞き
できる人間関係も重要ですね。
一方で、数年続いた外資企業のサポート契約は顧客M&Aに
より契約が終了する見通しです。こちらは役割を終えました。
増えるものもあれば減るものもあります。
では。
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▼プロフィール:
・インスクエア公式サポーター IT担当
・氏名:松澤 和重(まつざわ かずしげ)
http://www.cnet-media.co.jp/contact
・所属:(株)CNETメディアサービス 代表取締役
http://www.cnet-media.co.jp
・データ復旧のプロフェッショナル Dr.DATA ドクターデータ
http://www.drdata.jp
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