『M-PESAが普及するワケ』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1141
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■━━━━━━[vol.1141] 2016/11/10━■
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01本日のコラム -
M-PESAが普及するワケ
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坂口真梨奈 (株式会社スパークトレーディングジャパン 代表取締役)
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皆様こんにちは!
インスクエア アフリカビジネスサポーターの坂口です。
トランプの衝撃から一夜明けました。
今日はどんな一日になるんでしょうか?
さて本日は、なぜアフリカでM-PESAが普及しているのか
についてお話していきたいと思います。
M-PESAとは、2007年にケニアで生まれ爆発的に普及
したモバイルマネーサービスを指します。
携帯電話のショートメッセージを使って送金から出金
、支払まで可能であり、今やケニアのGDPの約5割を超
える金額がM-PESAを通して動いているとまで言われて
います。公共料金や教育費などの支払いから、給料の
受け取りまでM-PESAで賄われているのです。
他アフリカ諸国では、既に普及率が高い国もあれば、
まだ馴染みの少ない国もあります。このM-PESAが今、
南部アフリカにあるレソトでも浸透しつつあるよう
です。先日出張で現地を訪れた際に、数ヶ月前と比
べてM-PESA取次店数がさらに増えていることに気が
付きました。
そもそも、ケニアでM-PESAが爆発的に普及した要因
は主に3つあります。
・銀行の利用率が低い郊外の住人や低所得の人々が、
身近で簡単なM-PESAに移行したこと
・インターネットが普及していないエリアでも、
携帯の電波(SMS)で利用できること
・銀行口座を持っていなくとも携帯電話を持ってい
れば送金が出来ること
これを読むだけでは、分かるような分からないような・・・。
日本で暮らしていると銀行口座を持っていないと
いう方はほとんど居ないでしょうし、最近はオン
ラインバンキングを利用する方も多く、そうでな
くともコンビニに行けばATMがあります。
日本でM-PESAに近いサービスといえば「LINE Pay」
でしょうか。つい先日、LINE Payがセブン銀行と
提携するというニュースがありましたが、今後浸
透していくのか気になるところです。
私自身、アフリカでビジネスを始めるまでは
「SMSで送金ができる」というメリットを十分に
理解しきれていませんでした。しかし、レソトで
中古車販売店を営み、現地の人々の生活を知った
ことでその訳を肌で感じました。
まず、都心部であっても銀行の数自体が少ない
ため、どこの銀行にも長蛇の列。確かにこれで
は、銀行に行かずにM-PESAを使おう!となるの
も納得。
加えて、レソトも携帯電話の保有率は高いもの
の、月額ではなくプリペイド形式で利用してい
る人が大勢います。
そのため、エアタイムを追加するには、従来
Vodacom等の携帯電話ショップまで足を運んで
購入していました。「パソコンは持っていない
けれど、携帯電話は持っている」という層が多
いため、オンラインでチャージすることが出来
ないのです。
しかしこれを、M-PESAの残高から購入できる
ようになりました。
また郊外では、銀行口座を持っている人が想像
以上に少なく、未だに物物交換が日常的に行わ
れているエリアも存在します。
レソトに関して言えば、銀行があるのは首都の
中でも市内がメイン。郊外に行けば銀行どころ
か、スーパーすらありません。
そんなエリアでも、M-PESAの取次店(質素なキオ
スク)は存在し、多くの人々の暮らしを快適に
しています。
他アフリカ諸国でヒットしたモノやサービスが、
近隣国に伝わっている良い例ですね。
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▼プロフィール:インスクエア アフリカビジネスサポーター
・氏名:坂口 真梨奈(さかぐち まりな)
・出身:神奈川県横浜市
・役職:㈱スパークトレーディングジャパン代表取締役
・職種:海外ビジネスコンサルティング、貿易
【会社HP】http://sparktrading.co.jp/
【メール】marina.sakaguchi@sparktrading.co.jp
【ブログ】
http://profile.ameba.jp/sparktradingjapan/?frm_id=v.mypage-profile–myname
【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UC1aI6lcs8RAt-1smqRXPgmQ
中小企業としていち早く南アフリカ、レソトに拠点を設立。
人口拡大、経済成長が著しいアフリカ大陸への日本企業進出をバックアップ。
初めての就職で米国へ渡り、以降「外から見た日本」の姿を分析。
海外ビジネスにおいてマーケティングとローカライズを重要視している。
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