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『阿倍首相の規制改革は本当?~医療機器規制の今後~』 インスクエア ビジネスニュース Vol.275

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.275] 2013/06/06━━━■
‥‥◇◆ 目次 ◆◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
01:本日のコラム…『阿倍首相の規制改革は本当?~医療機器規制の今後~』
/ 天川 大輔 (行政書士 イノベーション経営法務行政書士事務所)

02:イベントのご案内
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03: その他お知らせ
  1 インスクエアのアジアパートナーオフィスオープン
    ・マレーシア  クアラルンプール
    ・インドネシア ジャカルタ

  2 インスクエア上野、横浜関内オープン

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01 ┃ 本日のコラム -
  ┃『阿倍首相の規制改革は本当?~医療機器規制の今後~』
━━┃……………………………………………………………………………………
  ┃ /天川 大輔 (行政書士 イノベーション経営法務行政書士事務所)
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◆はじめに
イノベーション経営法務行政書士事務所の代表行政書士、天川です。

ここ最近、阿倍首相が進める規制改革会議や産業競争力会議等で議論され続け
ていた経済成長戦略の具体的内容が固まりつつあります。
アベノミクスの『三本の矢』のうち、「金融緩和」・「財政刺激」はあくまで
短期的なレバレッジにすぎませんので、日本の産業競争力の基礎体力を底上げ
する「経済成長戦略」こそが重要であり、それゆえ関係する様々な業界から注
目(既得権を巡るせめぎ合い?)がされています。

私の事務所では医療法・薬事法を主要業務として扱っているので、規制改革・
成長戦略の大きな目玉として取り上げられている「一般用医薬品のネット販売
解禁」や、「医療機器の承認審査期間の短縮」はとても気になるところです。

今回は、馴染みがありそうで実はあまり知られていない「医療機器」、そして
「医療機器の承認審査期間の短縮」の背景・問題点について簡単に触れてみた
いと思います。

◆そもそも医療機器とは?
「医療機器」というと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
例えば、心臓ペースメーカー、MRI、CT装置、エックス線診断装置等々の
最新の検査機械や治療機械。これらはもちろん「医療機器」です。これは分か
りやすいと思います。
では、よく家電販売店に置いてある椅子型マッサージ器はどうでしょう?コン
タクトレンズはどうでしょう?手術用のハサミやピンセットや縫合糸はどうで
しょう?
この辺りになると、いわゆる「雑貨・器具」と「医療機器」の線引きが難しく
なります。

答えから先に言ってしまうと、上で挙げたのは全て薬事法上「医療機器」にあ
たります。
ここで、法律(薬事法)上の「医療機器」の定義を見てみましょう。

「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人
若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされてい
る機械器具等であって、政令で定めるもの(薬事法第2条愛4項)」

要は、病気の診断・治療・予防に使われたり、体や健康にプラスの影響がある
機械器具は、全て医療機器ということになります。

そして、この「医療機器」の定義に該当すると、薬事法上、様々な規制が課せ
られます。

これを前提に先ほどの例を見てみましょう。
コンタクトレンズは、「視力を矯正する」ことで病気を治療するので、医療機
器なのです。一時、視力補正ではなくファッションのみを目的としたカラーコ
ンタクトが衛生上の理由から問題になりました。直接目に入れるという点では
普通のコンタクトレンズと同じなのに、専門店ではなく雑貨屋で売られている
のを不思議に思われた方もいるかもしれません。あれは視力矯正を目的としな
いため薬事法上の医療機器の定義に該当せず、それゆえ販売方法等が規制でき
ないことから生じた問題なのです。
次に、マッサージ器ですが、これも「肩こり等を緩和する」という病気の治療
を目的とするので、医療機器です。
そして、手術用のハサミやピンセットや縫合糸。もちろんただのハサミやピン
セットや糸は文房具であり雑貨ですが、これが極端な話、全く同じ形状のもの
でも病気の治療用ですので、法律上は医療機器に該当します。

ここでお気付きになれた方もいるかもしれませんが、法律上「医療機器」に該
当するかどうかは、病気の診断や治療や予防、または体や健康にプラスの影響
を与えるという『目的』を有するかどうかで決まります(実際には、加えて政
令で規定されていることが必要ですが)。

そして何が重要かと言うと、前述したとおり、法律上「医療機器」に該当して
しまうと、普通に造ったり売ったりことができません。国から様々な規制を受
けてしまうのです。

◆医療機器の規制について
では、医療機器の規制内容に話を変えます。
一口に医療機器と言っても、先ほどの例のように、雑貨に限りなく近い手術用
のハサミから、生命に直結しかねないペースメーカーまで、様々な種類があり
ます。そこで、医療機器は人体へのリスク度に応じて3つ(国際基準では4つ)
に分けられます。

*【リスク度:低】一般医療機器(国際分類では「クラスⅠ」)
*【リスク度:中】管理医療機器(国際分類では「クラスⅡ」)
*【リスク度:高】高度管理医療機器(国際分類では「クラスⅢ・Ⅳ」)

そして、分類ごとに、厚生労働省では「~という機能・効能を持ったモノはク
ラス○」というように、定義付けを行いリスト化しています(これを「一般的
名称」といいます)。

今回、政府で「審査期間短縮を!」と議論されているのは、医療機器の『承認』
についてです。実は、この『承認』、医療機器全てが対象ではありません。上
記分類だと、最後の「高度管理医療機器」または「いずれの分類に該当するか
まだ決まっていない全く新しい医療機器(まだ一般的名称がない新医療機器)」
に要求される手続なのです。

◆何が問題?
では審査期間短縮がなぜこれほど問題にされているのでしょうか。

例えば、皆さんがこれまでにない画期的な新しい医療機器を開発したとします。
これを製造して市場で販売するためには、全く新しい医療機器ですので、やは
り「承認」という手続を受ける必要があります。聞いた情報では国内外のライ
バルメーカーも似たような機器を開発中とのこと。一刻も早く市場に出し、シ
ェアを獲得する必要があります。
ところが厚生労働省の平成23年度の統計を見ると、このような新しい医療機器
が承認を受け市場に出せるまで、平均で20.5ヵ月かかります(ちなみにアメリ
カでは平成17年度の統計ですが平均14.5ヵ月です)。
これだけ技術の進歩が早い中、半年の出遅れは痛いです。

しかも、実は医療機器承認審査期間短縮の話は何も阿倍首相になって初めて出
てきた話ではありません。3,4年くらい前から議論され続けてきている話なの
で、薬事に携わっている我々からすると「どうして今更?」というのが正直な
感想です。

そして問題は時間だけではありません。
承認を受けるためには「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)」
という厚生労働省の外部機関と折衝を重ねる必要があるのですが、前後のやり
取りがあるとはいえ1時間相談するだけで「約14万円~約450万円」、審査手
数料に至っては「約41万~約937万円」かかります。
正直、普通の中小企業では売れるかどうか分からない開発段階でここまで費用
を工面するのは困難です。私もクライアントとPMDAでの事前相談に同席し
たことがありますが、担当者から「単価も低いようですし、コストを回収でき
るかどうか分からないので、今回は見送られた方が…」と露骨に勧められたこ
とがあります。

日本の中小企業はとても素晴らしいモノづくりの技術を持っています。
その技術は医療機器に活用すれば世界でも十分戦えるものです。
しかし、これまでは、①承認されるまでの期間の壁、②承認されるまでにかか
る費用の壁、そして③(やや閉鎖的な)医療業界と製造業界の橋渡し役の不存
在と情報不足の壁という3つの壁により、画期的な技術とアイデアを持ってい
ても、そもそも目を向けようがないか、諦めざるをえなく、海外製医療機器の
輸入に頼らざるを得ないのが現状でした。
この現状を本気で変えるためには、今政府で話し合われている①の期間の問題
だけではなく、むしろ③の医療業界と製造業界の間を結ぶコーディネーターを
育成し、ニーズと技術をマッチングさせる必要があります。
一部自治体レベルでは対策が取られつつありますがまだまだ少数です。パフォ
ーマンス的な分かりやすい成果の獲得だけではなく、本質的な問題にまで切り
込めるのか、そこで今の政府の本気度が分かります。

———————————————————————
▼プロフィール:
・氏名:天川 大輔(あまかわ だいすけ) 36歳
・出身:広島県広島市
・出身高校/大学:修道高校/同志社大学法学部/広島大学大学院法務研究科
・所属:イノベーション経営法務行政書士事務所
    【事務所総合HP】http://www.keieihoumu.com/
    【化粧品専門HP】http://keshouhin.keieihoumu.com/
・経歴:
 アパレル販売、経営コンサルタント会社勤務を経て税理士法人、行政
 書士法人で実績を積み、独立に至る。
 専門分野は医療法・薬事法、建設業法、IT関連法。

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