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『イノベーションを促すためのインセンテイブと特許制度の運用』 インスクエア ビジネスニュース Vol.565

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.565] 2014/06/24━━■
‥‥◇◆ 目次 ◆◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

01:本日のコラム…
 『イノベーションを促すためのインセンテイブと特許制度の運用』
   / 重村達郎(弁護士)

02:耳より情報
 「話題のハラルを未来予想。日本企業の進むべき道を示すセミナー」

03:その他お知らせ
1 インスクエアの最新情報
 「いまどきのヒット商品・サービスのトレンドと法則 報告レポート」

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01 ┃ 本日のコラム - 
  ┃『イノベーションを促すためのインセンテイブと特許制度の運用』
━━┃……………………………………………………………………………………
  ┃ / 重村達郎(弁護士)
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 STAP細胞とワールドカップをめぐる派手な報道を前に目立ちませんが、
先日、いわゆる職務発明をめぐる特許権の帰属をめぐり、政府が、社員に十
分な報奨金を支払うことを条件に、企業のものにすることを認める方向で法
改正する方針を決めた、という起業をめぐる興味深い記事が載っていました。

 ワールドカップでは、日本チームは精彩を欠き、ギリシャ戦では、相手チー
ムが後半を通して10人しかいなかったにもかかわらず勝てずに終わり、この
まま1次リーグで敗退する可能性が高まっていて、ネット上では早速、揶揄と
「戦犯」探しが始まっています。
 
 敗北や失政の原因をきちんと分析し、今後の再生に生かすことは重要ですが、
過剰な戦犯探しは一時的に溜飲を下げることにはなっても、問題を根本的に解
決するわけではないことは、この間の財政再建-消費税増税や原発事故の処理
をめぐる争いからも明らかです。
 
 イノベーションを促進するためには、人々や企業による発明や新製品開発等
を促すに足るインセンテイブが必要ですが、これは、人々は一定の制約条件の
もとで、インセンテイブに反応して意思決定を行うという人間行動についての
経験的・心理学的分析と、ミクロ経済学における経済主体についてのある種の
仮説に依拠している、と言えます。まあ、言葉を悪く言えば、馬車馬の前に吊
り下げられたニンジンの良し悪しですね。
 
 そのため、発明者の権利を保護し、人々や企業の研究開発へのインセンテイ
ブを高めてイノベーションを活発にするための重要な手立て、公的なルールと
して、特許や登録商標などの知的財産権の保護制度が設けられています。

なぜなら、他人の発明や開発した新技術をただで利用できたり、精巧な模倣品
を市場で自由に売買して莫大な利益をあげられるのであれば、誰も自らすすん
でイノベーションに取り組もうとはしなくなり、イノベーションは生まれにく
くなるからです。

 一方、特許制度は、新たな発明や技術開発を模倣から保護するだけではなく、
特許登録することにより、それにかかわる技術が広く社会に公開され、多くの
企業等に対する使用許諾(特許ライセンス料の支払い)を通して、他人の発明
や研究開発の成果を利用できることを可能にします。
 
 即ち、特許制度には、技術の独占を認めて発明や新たな研究開発に向けたイ
ンセンテイブを高めることと、技術の公開、普及を促すこととの2つの相反す
る役割があります。
 
 したがって、この2つの役割をうまく調整し、適切な特許制度を設計するこ
とが必要なわけですが、所属する企業等の研究開発費を用いて研究開発に従事
する社員研究者による新技術の発明、研究の成果を特許として申請し、登録し
て保護するにあたり、誰に特許権があるのか、また、ライセンス料による受益
を会社と社員間でどのように配分するのが発明、新技術開発に向けたインセン
テイブを最もよく促すことができるのか、というリアルな問題が生じてきます。

これが裁判にもなって社会的耳目を集めたのが、今や信号機や家庭電化製品に
もかなり普及している青色発光ダイオードの発明特許をめぐる争いでした。

 いや、俺はとにかく発明すること自体が楽しみであり、好きなんだ、という
ドクター中松みたいな人や、くまもんみたいに県の宣伝になるので誰がそのキ
ャラクターを使ってもいいという奇特な例は別にして、どこかの大臣ではあり
ませんが、現実的には、新発明や研究開発において、「最後は金目でしょ」と
いう側面を無視することはできません。
 
 STAP細胞をめぐる一連の論文・研究不正の背景としても、理研による山
中教授らのIPS細胞研究に対抗する大幅な国からの研究予算の獲得と、理研
及び研究者らが関与するバイオ関連企業の先行特許取得による多大な利益の獲
得、株価上昇の思惑があったことも指摘されています。
 
 今般の、企業等の職務に属する研究開発(特許法で言ういわゆる「職務発
明」)において生じた特許権の帰属について、現実に研究開発に従事した研究
者にではなく、資金と研究環境を提供した企業等に条件付きで認めることを、

特許法を改正して明文で規定しようという政府の方針は、安定した職場環境と
研究資金の提供を通して企業及び社員研究者たちのイノベーションに向けたイ
ンセンテイブを高めることになるのか、それとも、かえって研究者自身の起業
マインドを促すことになるのか、興味深いところです。

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com 
 事務所HP・個人HP 各名前で検索してください
 京都大学法学部・経済学部卒
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02 ┃ 耳より情報
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  ┃ 話題のハラルを未来予想。日本企業の進むべき道を示すセミナー
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日本中が気付いた巨大イスラム市場。
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2014年6月24日(火)13:00~17:00

参加費: 5,000円(税込)
参加人数 :100名  ※残り60名
※事前登録制、多数の場合参加できないこともありますのでご了承下さい。

会 場:アットビジネスセンター東京駅
(東京都中央区京橋1-11-2八重洲MIDビル)

http://abc-kaigishitsu.com/tokyo_yaesu/access.html

スケジュール: 13時00分~ 開会の挨拶
13時10分~ ハラール基礎セミナー
      [ 講師:ハラル・ジャパン協会 代表理事 佐久間 朋宏 ]
14時50分~ 休憩
15時00分~ イスラーム市場攻略セミナーⅠ グローバル概況編
      [ 講師:デロイト トーマツ コンサルティング㈱ 調査員 ]
16時00分~ イスラーム市場攻略セミナーⅡ 個別マーケット編
      ASEAN(インドネシア)、湾岸諸国(ドバイ・サウジアラビア)
      [ 講師:デロイト トーマツ コンサルティング㈱ 調査員 ]
17時00分~ 個別相談・名刺交換会
17時30分  閉会
主 催:一般社団法人ハラル・ジャパン協会
協 力:デロイト トーマツ コンサルティング株式会社
後援 :農林水産省(予定)、その他協賛メディア各社、協賛企業
お申し込みは⇒http://www.halal.or.jp/event/140624/

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03 ┃ その他のお知らせ
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  ┃ 1. インスクエアイベントレポート
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≪インスクエア最新情報≫
【いまどきのヒット商品・サービスのトレンドと法則】

『人間はどうしても買い物をやめられない。
 だから、単純に消費が落ち込むのではなく、今まで使ってきた金額と同
じ金額で、いかに満足するにはどうするか?という方向に思考が変わる』

という北村氏の考察は、店頭で実際にリサーチもかけているという通り、
現場を見た方でないと導き出せない答えだなと、思わず唸ってしまいました。
うーむ。さすがです。

こういった消費者の実際の行動や考え方からHIT商品のトレンドが見えて
きそうです。
トレンド分析では有名な北村森 日経トレンディー元編集長のセミナーは
目から鱗の連続です。

詳しくはこちらのレポートをご覧下さい

http://in-sq.com/event/?p=280

★インスクエア 関連WEBサイト★
【インスクエア池袋公式サイト】
 http://in-sq.com/index.html
【オフィス探しのポ-タルサイト】
 http://www.at-office.co.jp/
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