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『巻き込む」と「巻き込まれる」』 インスクエア ビジネスニュース Vol.833

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.833] 2015/07/31━━■

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01 ┃ 本日のコラム -
  ┃   『 「巻き込む」と「巻き込まれる」 』
━━┃……………………………………………………………………………
  ┃ / 重村達郎(弁護士)
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メルマガ編集委員藤田です。
火曜と金曜が私の担当です。毎週金曜は私の活動報告ですが、航空機ビジ
ネスのご紹介もあり、しばらく変則的な掲載とさせていただきます。今週
は関西の弁護士重村氏のコラムです。

 ビジネスにおける人間関係で望ましいのは、双方にとってウィン・ウィ
ンの関係にあることですが、対等のパートナーシップというのは難しく、
一方が自己の目的・利益達成に向けて主導権をとって他方を巻き込み、他
方は自己の利益にもなることから協力、あるいは渋々付き従うという関係
が多いかと思います。

この場合、付き従う側は、主体的な動機に乏しいですから、期待した結果
が得られないと、自業自得とはいえ、巻き込まれてえらい目にあったとい
う思いをもつことになります。

同様のことは、国家対国家との関係においてもあてはまりますが、これを
現下の安全保障法案にあてはめるとどうなるでしょう。

今回の法案が成立すれば、先の国家安全保障会議(日本版NSC)の設置、
及び特定秘密保護法との恐怖の3点セットで、一億一心でなくても戦争に
参加、遂行し、反対派を押さえ込むことができるようになります。

ですから、説明不足のままでの強行採決は民主主義の破壊であり、また、
集団的自衛権行使についての解釈変更による違憲法案の制定は実質的な改
憲であって9条の精神及び立憲主義に反し、日本が戦争に巻き込まれる危
険な道だとして、若者も含めて大規模な街頭デモが起きているのも当然で
す。

無論、戦争を未然に防ぐ抑止力のための法案だというのが政府の説明です
が、対米従属が甚だしいからといって、他人(主に米国)の利益のために
わざわざ戦争に「巻き込まれる」べく、前のめりになって切れ目のない法
案を整備し、「戦死」も予想される自衛隊を派遣する馬鹿は、本来、いな
いはずです。

とすると、日本の国家意思として、自国の平和と安全を守るために、軍事
同盟国である米国を「巻きこんで」集団的自衛権を行使できるようにする
法案であるというのが素直な理解のはずで、被害者意識では本質が見えて
きません。

となると、仮想敵国は中国であり、米国とイランとの和解によって現実味
にますます乏しくなったホルムズ海峡の機雷封鎖任務は口実で、「積極的
平和主義」の内実は、尖閣列島や南方進出を踏まえ、軍事をはらむ中国と
の対抗関係にいかに米国を巻き込むかが要点、ということになります。

しかし、無論、米国は、近い将来GDP世界一になるであろう中国と事を
構えるつもりはないし、歴史的にもアジアに死活的な利害関係をもってい
るわけではありませんから、日本に強い兄貴としてケンカに引っ張り込ま
れるのは迷惑千万なはずで、偶発的な戦争が起きても助けてくれる保証は
ありません。

「巻き込んだ」つもりがはしごを外されてこんなはずではなかったと悔や
んでも後の祭り、かえって自国で想定外の事態に「巻き込まれる」おそれ
には事欠きません。オリンピックと新幹線と原発は逆の恐怖の3点セット
です。

とすれば、中国ともイスラム諸国とも戦略的互恵関係に基づくパートナー
シップを大切にし、従前通り平和国家として努力を傾けることこそ、戦争
の最大の抑止力になり、ビジネスにとってもプラスになるはずです。

他方、武器輸出の解禁とインフラ輸出推進の下で軍事大国化が進み、不況
の深化と共に最大の得意先が国家となった時(経済の軍事化)、自国の権
益保護と安全確保という口実で、産軍複合体主導による戦争が露出してき
ます。

戦後70年、巻き込まれるのはある意味自業自得ですが、巻き込む方は自
覚的に事を構えているわけで、日本は歴史的に大きな転換点にさしかかっ
ています。戦争は最大の人権侵害の一方で、バクチのごときビジネスチャ
ンス、経済界の主流の声が今一つ聞こえてきません。沈黙は金なりなので
しょうか。

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com 
 事務所HP・個人HP 各名前で検索してください
 京都大学法学部・経済学部卒
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