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『怪談!怖い話』 インスクエア ビジネスニュース Vol.843

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01 ┃ 本日のコラム -『 怪談!怖い話 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜に、30万社個別HP情報の市場開拓を準リアルタイムで記述していま
すが、今週は夏休み期間でもあり、話題を変えます。
とても怖い話です。

今日8月14日、九州の川内原子力発電所が発電を再開します。
8月11日に国内の原子力発電所として、第一号で再稼動し、今日から発電再
開です。
エネルギー政策として必須ということから、異論がある中の選択です。

再稼動は賛否は、災害を含めて事故リスクをめぐっての議論でした。
怖いのは、将来起きるかもしれないリスクではなく、フクシマです。
今も汚染が継続しています。

私が原子力発電をめぐる議論に接したのは、四国電力伊方原発の計画です。
19歳のころです。45年前ですね。
大学では、工学部に推進する原子力学科、反対の衛生学科(環境)学科がありま
した。

私は理学部で放射線生物学、生物物理学の教授と懇意でした。
政治課題ではなく、科学技術論としての会話で、新しい技術には未知、未解決
な要素が必ずあるそれを解決していくのが科学であり、英知だ。
今できなくても、次代の知恵に期待する。と指摘を受けました。

科学に対する楽観論ですが、この考え方で判断してきました。
しかし、福島では想定外かどうかは意味が無く、事実として最大最悪の事故が
発生しました。事故から4年経過です。

4年間の待機期間を経て、もういいだろうという感が伝わります。

先週、千葉県の知人と会いました。
福島の事故後、人体対象の内部被爆検査装置、食品など対象の放射線計測装置
を輸入し、計測ビジネスを企画しました。
千葉の自治体では中学生以下には計測に対して5000円の助成金が支給されま
す。10万人で5億円!

2年経過、完全に目論見が外れたのですが、購入機器を使って、公園などいく
つかのポイントを継続して計測しています。
その結果は、現在も減少することなく地点によって増加傾向もあるのです。

これはある意味当然です。フクシマは現在も遮蔽されているわけでなく、見え
ないところで何らかの反応が継続しています。
原子炉周辺には誰も、ロボットすら近づけません。

冷却など投下された水は、汚染されて地下に浸透します。
貯めることには限界があり、あるサイクルで海中放出となっています。
広い海での希釈を期待します。

かつて、ある会社が放出したメチル水銀は、魚や貝が吸収、蓄積しそれを食べ
たために水俣病の犠牲者が多数出ました。
食物連鎖によるものです。

1959年猫の異常発生からの数万人の被害者を出し、会社の事実隠蔽、因果関
係否認を経て、原因となった水銀ヘドロを封じ込めるため、水俣湾を埋め立て
ています。
地元漁業再開は1997年。38年間かかっています。

フクシマでは廃炉が2051年、核燃料取り出し2021年目標です。
少なくとも、2021年まで核燃料は反応を継続する可能性があります。
核燃料がどうなっているのか、誰も知ることができません。

東電も、6/29福島2号機周辺で、毎時1シーベルト超の計測を発表していま
す。
一般的な基準は3.8ミリシーベルト/Hですから300倍近い値です。
何らかの反応継続と見るしかありません。

一方で、政府は「比較的低い汚染地域」に対する、避難指示を解除し、10万
円の支払停止を発表しています。
住宅無償提供も2017年3月打ち切りと、対策終了へと進んでいます。
特別税として徴収した資金を含み、総対策費7兆円の終盤です。

こうした中での、川内原発際発電開始です。
結果として世界に先駆けて経験した、食物連鎖の影響や、内部被爆リスクは意
図してスルーしています。

台湾は日本からの食品輸入に、規制を強化しました。今年の5月です。
復興は支援するが、自国民を守る責任は果たすという意思です。
汚染された事実を無視して、野菜を食べることは危険です。

フクシマ以前に戻そうという願望は、対象地域住民を含めて理解できますが、
事実はそれを許してくれません。
今日、明日異変が起きるわけではなく、リスクは10年後の異変です。
実例は少なく、憶測の域に近いかもしれない。実験も困難です。

実態はかなり広範囲に、放棄しないといけない状況ではないかと考えます。
その怖い事実を見ないで今日を、明日を楽しく、10年後はなるようにという
ことか?
とても怖い話です。

この事実を認めると対策が大変です。
数十万人、百万人を疎開させることになります。
現実そんなことができるのか?
事実を受け入れ、それを考え、解決するのも英知です。

お盆休みに帰省するという風習も、原子力時代にはあきらめることになりそう
です。
明日のために、過去の思い出に浸ってはいけない。

休みの方は、そんな時代が来る前に、楽しい夏休みをお過ごしください。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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