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『朝三暮四と朝四暮三』 インスクエア ビジネスニュース Vol.917

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.917]2015/11/27]━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『 朝三暮四と朝四暮三 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜は、30万社個別HP情報の市場開拓を、準リアルタイムで記述し
ています。私の活動記録と読者の方々の起業勧誘が目的です。

今日のテーマ「朝三暮四」は宋時代の中国の故事です。
中国の故事はよく引き合いに出ますが、ビジネスの領域ではその解釈が異
なることもあります。

先日のメルマガに記したのですが、中国の会計基準に長けていた私の仲間
が9月亡くなり、その遺稿集として中国故事への独自解釈がありました。
彼の場合は、中国語が方言を含めて理解できていたので、中国文献からの
考察でした。時間価値、リスク評価です。

まず、故事の概要です。(私の解釈です)
猿をたくさん飼っている宋の豪族が、財政緊迫し、餌として与えていた、
トチの実を朝3個、暮に4個とするというと、猿が怒り出した。では朝4
個暮に3個とするというと、猿たちがひれ伏して喜んだ。
結果が同じなのに、知恵を使うと相手を丸め込むことができる。

企業経営の観点から再検討します。
同じ結果となるためには、いくつかの前提があります。
飼い主の気が変わらないこと、暮れに不在とならないこと、突然財政破綻
が無いこと、トチの実が盗まれたりしないこと、などなど。

一方で、猿は、先に受取ると、余剰資産として運用ができます。
どうしても、今4個食べたいという猿もいるでしょうから、融通して利息
を取ることも出来ます。
一日という時間軸でも、将来は不確実です。リスクが内在しています。

昨日のように、今日が終わり、明日が来るという繰り返しが保証されてい
るわけではありません。
普通に生活、仕事をしていると毎日の単調さが気になりますが、実態はも
っと不安定です。

ということで、その会計士は豪族=人間に猿はだまされたのではなく、き
ちんと実利を取った。それを猿知恵=浅知恵という人間を逆に笑っている。
という解釈を示しています。

評価の前提条件が異なると、結果は全く違ってきます。
猿知恵のはずが、先のリスク評価を捉えた適切な判断に変わります。
時間軸をさらに延長すると、現在の3個の価値は将来の3個の価値とは異
なっています。
これは、DCF=現在価値換算として定式化されています。

具体的な事例として、従業員給与の設定のケースにも適用できます。
年棒から、月額報酬と、ボーナス比率を設定するようなケースです。
従業員から見ると、月額報酬比率を高めることが有利で、経営者はボーナ
ス比率を高めます。利害関係が逆になります。

月額報酬の減額、遅配は経営不安の表現です。モラル低下を招きます。
ボーナスは、成功報酬的な要素としての理解もあります。
適切な実績開示で、理解納得を得る事も可能です。朝三暮四です。

売掛金回収、買掛金支払、借入金など会社の日常金銭収支も同じです。
売掛金は回収できてこその売り上げです。時間経過とともにリスクが増加
します。買掛金は引き伸ばすと、相手に異変があるかも知れません。
できるだけ引き伸ばす??
これはビジネス規範の問題です。

銀行から借り入れるとき、きちんと金利は先に取られます。
まだ借りてないのに、金利が発生し引かれた残額が振り込まれています。
その日に引き出されて未回収となっても、金利だけは確実に回収する。

朝三暮四の正しい理解だったのか、かつての中国企業は執拗に督促しない
と、代金を支払わないというのが常識と聞きました。
20年前から、中国に住み日本からの進出企業の会計監査を担当してきた故
人の解釈でした。

対象となる時間軸はどんどん短縮化しています。
年間の収入と支出による決算は、月次決算へ、今は日次決算の会社もあり
ます。株式トレードはマイクロセカントからナノセカントの争いとも言わ
れます。

経営者、従業員それぞれの立場で基準が異なるのですが、期間リスクの存
在を意識しながらの判断が要求されています。
朝三暮四と朝四暮三は同じではない。猿にとって、朝七暮ゼロがベストで
す。

マイナンバーもいよいよ開始です。
個人収入の完全補足が始まります。
法人マイナンバーも陰で公開です。会社INDeXにとっては、大きな転機と
もなります。新たな基準の導入です。
来週は、11月が終わり12月です。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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