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『事業と会社の譲渡・取得』 インスクエア ビジネスニュース Vol.962

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.962]2016/02/12]━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『 事業と会社の譲渡・取得 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜は、30万社個別HP情報の市場開拓を、準リアルタイムで記述し
ています。今日のテーマは、少し視点を変えて、「エグジット」=事業の出
口についてです。

人の生命には限りがありますから、どんな事業・会社もいつかは、誰かに
何らかの方法で、譲渡して継承することになります。
起業は若干の資金と、事業への熱意で可能ですが、成功のためには「スト
ックビジネス」への計画も重要です。

事業と会社の譲渡、取得は当事者間の取引ですから、売手側、買手側双方
の合意によって成立します。
ただ、起業と同じく取得を成功させる。つまり、事後お互いに後悔、想定
と違っていたというトラブル、紛争を回避するためにはいくつかの準備と
確認も必要です。

事業の立ち上げには、必ず一定の時間と費用を必要としますから、合意に
よる、譲渡・取得は社会的にも有効です。
ただこの「合意」は経験的にも、容易ではありません。
今日は、事業と会社の譲渡・取得に際して行うべきことを整理します。

まず最初は、双方の経営者としての、資質確認です。
転売を目的とする、ファンドのケースは異なるのですが、起業した経営者
は、自分が時間、お金、知識、人脈を投入して育ててきた事業ですから、
誇りと愛着があります。
継承者にも、それをさらに発展させる資質を求めます。

一方では、その強すぎる思いは、継承への大きなバリヤーとなります。
「自分でないとできない」との思い込みです。
知人の会社は、80歳近くまで創業者が代表でした。
上場会社への譲渡合意もありましたが、最終段階で破談となりました。
「みんながやってくれという」だそうです。

ある規模の会社経営者であることは、譲渡、契約の持つ意味を理解してい
ることを保証するものではなさそうです。

比較的うまくいくのは、売手側の状況が切迫しているケースです。
体調不良などのケースです。事業は拡大基調であっても、自分では継続が
不可能となった。雇用と、事業を何とか守りたい。
一般的には、起業からの投資費用が債務として残っています。
この整理ができると、こうした会社の取得は買手側にとって、次の成長ス
テップとして有効です。

このケースでは「買手側の思い先行」は危険です。意図的もしくは、意識
しない隠れ債務の存在リスクです。
財務諸表のチェックは当然ですが、公開情報の範囲で調べられるところは
確認です。

登記簿謄本により、登記実態、所在地、代表者住所、それぞれの権利関係。
近くであれば、現地確認です。
信頼できるという判断することは、おざなりな調査でいいことになりません。
初めての取引ですから、慎重を期します。

次は事業の評価です。2つの観点があります。
1.今の事業の継続性:このままで現在の売上、収益が継続するか?
2.自分の事業との相乗効果:対象事業を取得することで、現在の自分の事
業との相乗効果が期待できて、それぞれの拡大が見込めるか?
起業家は投資家ではないので、相乗効果の自己判断です。
変化の時代ですから、何もしないで、既存事業の継続収益はあり得ません。

自分の既存顧客に、新規サービスが適用できるか、取得事業の顧客に、自
社サービスの提案ができるか、組み合わせることで、新しい販売ルート、
新サービスが構築できるか。顧客、技術の重なりと補完関係の見極めです。

起業ベンチャーにとって、大切なチャンスです。
数年間の時間短縮効果を受けて、事業展開が可能となります。

起業成功の第一ステップは月次収益確保です。
コスト管理と、収益のストック化への創意工夫です。
次の課題は、規模拡大=顧客、サービスの広がりを確保し、売上収益の分
散と安定化を実現します。個人企業からの脱皮を含みます。
この過程は、定着までに一定の時間が必要です。

起業ベンチャーにとって、この時間短縮はさらに、次のステップへのチャ
レンジを加速します。

うまくいかなかったら?
自社企画サービスは、そのコストが内部吸収可能な範囲でしか行わないの
で、失敗してもやり直せます。成功するまで失敗する。過程です。
外部事業の取得は、まとまった資金投資が発生します。
数年間は、その弁済に追われ、逆に時間ロスです。

大手サラリーマンから起業するという決意、判断時には「健康保険・年金
は」という生活への不安をどこかで振り切ります。
起業後の、発展を目指す過程でいくつかある選択、判断です。

可能な範囲でリスクを回避して、事業拡大です。
事業への熱意をもって起業した結果、あるレベルに達した事業を継承して
発展させる。

30万社HPコンテンツ事業も、適切な継承ができる環境を作っていくため
の努力を継続しています。
買手の登場を促す条件を作っています。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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