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『会社の価値その2』 インスクエア ビジネスニュース Vol.971

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.971]2016/02/26]━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『 会社の価値その2 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜は、30万社個別HP情報の市場開拓過程を、準リアルタイムで記
述しています。最近2か月ほど静かな活動ということを先週お伝えしまし
たが、コンサル業務は事業継承、MAの話がいくつか進行しています。

1月の後半にも会社の価値について、コメントしましたが、今日はその続
編です。こちらの案件もリアルタイム進行中、クローズ間近です。
最終段階で折衝過程で感じている、会社の価値について再度記述します。

事業譲渡、株式譲渡は、事業を守る、雇用を確保、顧客サービスを維持、
創業の「思い」を継承などなどいろいろな表現、題目はありますが、ビジ
ネスとしては売買です。
売手は高く売りたい、買手は安くと、利益が相反するなかで、合意点が見
つかった時に譲渡が成立です。

もちろん価格だけでなく、譲渡後の運営についても一定の合意が必要です
が、それもほとんどは、価値評価して価格に反映することが可能です。
会社の価値とは何か?再度の検討です。

企業価値の算定方法はいくつかの標準があります。
もっとも一般的、かつ単純なのは上場企業の時価総額です。
数年前のフジテレビ買収騒動で、一気に一般語になりました。
現在株価に、発行済株式数を乗じることで、全株式取得に必要な金額を算
出します。

「市場が、すべての要素を含んで、対象会社を評価した結果が株価である」。
ことを前提としています。
その前提に対して、株価の決定はその時点での売手と買手の合意ですから、
取引を偽装した株価操作もいろいろ出現します、

非上場、新興ベンチャーに使われるのはDCF(Discounted Cash Flow)。
将来生み出すと想定する収益=キャッシュを、現在価値に換算=ディスカ
ウントします。利息の設定方式など、もっともらしい数字が並び、会計士
に委託して評価ということもあります。この場合、それなりの委託量が必
要で、何かしら客観的な数値であるかのような印象もあります。

しかし、計算過程の緻密さは、結果の適性、適切性を保証するものではあ
りません。
将来の事業収益想定が、妥当であるか否か誰も客観的に判断できません。
会計士は対象会社が提供する将来計画をもとにして「正しく計算」します。
計算過程の正しさは保証しますが、算定結果の正しさは保証できません。

対極にあるのが、清算価値算出です。
会社のバランスシートに記載される資産=財産と負債を差し引いて、今会
社が解散すると、お金がいくら残るのかを算出します。
この場合は、簿価=バランスシートに記載されている金額と実勢価格の差
が問題となります。

在庫、ソフトウェア資産、投資有価証券などは事業継続前提での評価額が
簿価に記載されていますが、清算時点でその価格で売れることはありませ
ん。一方で、簿外債務の存在です。
運転資金として知人など関係者からの借入はバランスシートに記載されて
いません。意図的な操作もあります。
清算価値はマイナスが大部分です。

今日の本題、企業価値はどこで決まるか。
売手側は当然高いほうがいい。したがって、買手がいくらなら買ってメリ
ットがあるのか、という評価で決まります。
清算価値では誰も売りませんから、そこに「のれん」とも言われる事業価
値評価算出です。

これは客観的な算出は不可能です。買手の状況によって全く異なります。
ただ、買手が考える事業の発展を課題とすると、いくつかの指標は設定で
きます。

私が手掛ける案件は、時間短縮を最大要素として訴求します。
今後の収益は誰にもわかりません。現在の顧客、売上、ソフトウェア、ビ
ジネスモデル、従業員、店舗などインフラを構築するために、売手側は時
間、エネルギー、費用をかけてきた結果が現状です。
決して完ぺきではなく、ほころびも各所にあります。

新規に買手が類似事業を開始すると、もっと効率的に進められるかもしれ
ないのですが、絶対的な時間経過が必要です。これは避けられません。
失敗しながら5年かかった事業は、1年では同じポジションに到達できま
せん。

買手は、自分の事業に自信と拡大構想があります。
1日でも早い事業着手、展開です。時間は有限非可逆=元に戻れません。早
くやって、次に進む、あるいは方針を変更する。
事業意欲が大きいほど、時間価値は高くなります。
ここで買手側と合意できると、金額折衝はまとまります。

意思決定が個人に集中していないと、まとまりません。
規模感は違いますが、シャープの資本提携譲渡先は準官僚機関の産業革新
機構ではなく、郭会長率いる鴻海(ホンハイ)です。
鴻海がシャープの地平獲得するには、どれだけの時間と費用が必要か?
4890億円の価値はあると判断です。機構は3000億でした。

個別事業の譲り受けなど、時間短縮価値評価でどんどん進めるべきです。
ここでも、日本では金融の機能不全があります。
中小企業の企業買収には金融は資金提供しない。運転資金の範囲に限定し
ます。そんなものと割り切ります。

2月が終わり、来週は3月です。
2か月のBluemix研修を修了し、新しくAPIサービス構築に着手です。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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