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『孫正義氏への異論:変革?投機?』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1078

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■━━━━━━[vol.1078]2016/08/05━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『孫正義氏への異論:変革?投機?』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜は、30万社HPコンテンツビジネスの市場開拓活動を、準リアル
タイムでお伝えしています。
今日のテーマは、本題から脱線して、今週月曜に大竹編集長が称賛したソ
フトバンク孫正義氏についての異論です。

色々な意見、考え方が交換されることで、思考は深化発展していきます。
個人の経験、思想傾向によって同じ物事、人物、行動への評価も異なりま
す。言論、表現の自由は、継続していつも行使していくことで権利として
確立していきます。

という能書きもあり、本題に入ります。
ソフトバンクによるARM買収が話題でした。
時価総額168億ポンド=2.2兆円のARMを50%プレミアム3兆円で買収と
発表しました。ARM側はイギリスを含めて賛成です。株主にお金が入りま
す。

ソフトバンクの時価総額は7兆円程度ですから、時価総額の半分で新規投
資です。IoT時代への決断、強い事業意志を当事者が主張し、そのままマ
スコミも伝えています。

確かにARMの存在は大きく、しばらくインテルはじめ、他社の追従はない
といわれています。市場拡大により収益の増大が見込まれます。
50%プレミアム=3兆円は安いかもしれない。

視点を変えます。
小さくても起業するということは、今のサービス、商品よりもいいものを
自分ができるかもしれない、いやきっとできる、と信じることが起点です。
自分の時間、アイデア、創意工夫を投じて、市場の変革を促します。
インスクエアは、エイジレスの起業支援を行います。
継続のための、収益確保にはストックビジネス化を訴求します。

ソフトバンクはARM買収によって、世界のIoT市場を拡大、成長させるの
か逆に利権を確保に走り、結果としてその発展を阻害するのか?
私は、どうしてもここに関心が集中します。
変革を進展させるのか、既存利権の取得により、収益分配に預かるのか?

ソフトバンクに限らず、ある段階の成功者は、リスクの多い変革ではく、
既存利権の仲間になることを追求します。
仲間に入れてもらうには、やんちゃな破壊者のポーズも参入には有効です。
既得権益側は、老獪で内部への取り込みに長けています。

ソフトバンクの投資、買収の歴史を、私的見解で見ます。
1.ソフトの卸:大手が参入しなかった市場でした。あるタイミングで、独
占状態でしたが、流通方式に変化はなく、国内ソフトベンダーを世に出
すことはなく、マイクロソフトを過半の売り上げとして、競争がない世
界で自社の収益を改善しました。

2.ヤフーへの投資:これが初期の決定的な収益を生んでいます。日本でも
子会社を設立。ポータルサイト事業を何か独自に推進したか?
3.国際的展示会コムデックス/メモリーボードキングストーン買収:
いずれも売却。その時点で成熟市場のトップを狙い、取得後、市場拡大
がない事実を見て売却。何も変化を促していない。

4.日本テレコム、ボーダフォンと携帯通信事業買収:街頭で無料モデムを
配布してADSLの展開を加速。定額通話など価格破壊を訴求。
光通信との連携で契約者数の急速拡大を実現。
旧電電公社=NTT,旧国際電電=Au、と既得権益分配が実現し、価格競
争は総務省介入で回避し、3社均衡価格で利益分配。

事業提携では、アリペイへの出資。上場で数兆円の利益に。iPhone独占販
売(現在は終了)、国際的な決済PayPalの実質総代理権取得と凄まじくア
クティブです。

ちょっと冷静に考えます。
ソフトバンクはその買収、提携事業を拡大することにどう貢献してきた
か?
買収提携発表時には、モバイル事業との相乗効果、中小企業の決済需要へ
の対応と言われるのですが、全く実態がありません。

中国からの爆買いに対応したのは、三井住友VISAカードが提供する、銀
聯カード、7億人の中国国内利用者がいるアリペイのモバイル決済はソフ
トバンクが総代理権を持っていますが、全く普及していません。
PayPalは世界的には標準ですが、日本では全く普及していません。兆しも
ない。

震災後のエネルギー革命もありました。太陽光への転換を主張し、総務省
を動かし、36円の10年間買取保証を取り付け、メガソーラーを設置。現
在高すぎる買取価格に補正が入り、24円です。12円は国民が電力使用量
追加負担です。

同時に推進策とされた、課税対策しての経費算入ルールはまだ生きていま
す。エネルギー革命の掛け声とは別に、富裕層への課税対策商品として、
ソフトバンクは快調に販売を継続です。

AIへのアプローチはIBMワトソンです。日本語版の普及を急ぎたいIBMに
コールセンタ利用と交換で、実質独占販売権を取得。
ワトソンを使ったビジネスをやるためには、ソフトバンクに年間150万円
払わないと参入できない。

確かに、お金を作る王道は、利権の獲得もしくは仲間に入ること、かもし
れません。自分で作ろうとすると大きなリスクを持ちます。

起業の原点は、今世の中にないものを作る、変革です。
規模は小さくても、自分の活動による変化を追求します。

APIライブラリの構築は思うように進まないのですが、焦らず、あきらめ
ず。
自分の活動による、市場開拓を追求します。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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