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『日展よ、お前もか!―入選・受賞と美術界における「出世」の構造』 インスクエア ビジネスニュース Vol.411

■[ インスクエア ビジネスニュース ]━━━━━━━━━━━━━━━━■

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■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[vol.411] 2013/11/26━━━■
‥‥◇◆ 目次 ◆◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

01:本日のコラム…
『日展よ、お前もか!―入選・受賞と美術界における「出世」の構造』
/重村達郎(弁護士)

02:イベントのご案内
  『初開催・TVショッピングの目利き実演会』
   無料見学者・無料出品者募集中!
   
03: その他お知らせ
1 インスクエアの最新情報
   ・サポーターに実演販売プロモーター登場
   ・インスクエア上野 交流会
   ・インスクエア上野、横浜関内のご案内

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01 ┃ 本日のコラム -
  ┃『日展よ、お前もか!―入選・受賞と美術界における「出世」の構造』
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  ┃ /重村達郎(弁護士)
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 絵を見るのは好きな方である。地方に行くと自分好みの美術館を訪れること
もしばしばあるし、従兄弟が西東京市の自宅でシェーネというユニークな画廊
を開いているので(半分宣伝)、手ごろな絵を買って自宅と事務所に飾っている
ほどである。

だから、今回の日展審査―受賞における一種の八百長の報道には、さもありな
んという思いと芸術を汚す者に対する怒りとが交錯する。

 小学校低学年の時には友達のおかあさん(後で芸大出と聞いた)が自宅で開
いていた絵画教室にママ友の付き合い半分で行かされた。もっとも、もとより
画才はない上に、毎日のように学校から帰るやランドセルを玄関に放り出して
その友達を含め仲良し3人組で遊び呆けていたから、ちっとも絵心は育たずう
まくもならなかったが、我慢強く几帳面な性格からか、静物画や細密画はまだ
ましで、小中学校を通して「図工」の通信簿はいつも4か5だった。

 中学校では、元憲兵中尉だったという色眼鏡をかけた(今考えると素顔をさ
らしたくなかったのかも)50代くらいの美術の教師が初めて遠近法や陰影法
をわかりやすく教えてくれて、美術史にも興味を持った。
 
 そんなことも影響してか、横浜の県立高校時の芸術科目では音楽ではなく美
術を選択した。公然と女性の裸を描いた美術書が見られることや写生の授業で
外に出られて気分転換になるという不純な動機もあったかもしれない。
 
 美術教師の描いた絵が何度か日展に入選しているということで、授業外で有
志を募って上野の国立西洋美術館で開かれていた日展に連れて行ってくれた。
女性の人物画だったと記憶しているが、正直に言ってさほど感動もしなかった
し、日頃美術教育への情熱もあまり感じなかったから、日展に何度も入選する
くらいの実力があっても高校教師でもやっていないと食えないのかなあなどと
漠然と思っていたが、日展の権威は絶大で、入選―受賞は技量一本と信じてい
た。
 
 日展に入選するような絵は、確かに素人眼から見てもうまい。しかし、皆が
上手なのだからうまいというだけでは頭一つ抜けることはできない。実際、絵
の価値をはかる客観的なモノサシなどあってないようなものだから、漫画家で
もそうだが、絵を見ただけでその人の作品とわかるような独特の画風を確立で
きているかどうかが、専業画家としてやっていけるかどうかの大きな分かれ目
であるように思わる。
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