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『ストックビジネス実践編への期待』 インスクエア ビジネスニュース Vol.992

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■━━━━━━[vol.992]2016/03/29]━━■

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01 ┃ 本日のコラム -『 ストックビジネス実践編への期待 』
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  ┃ / 藤田 幹夫(PDBマーケティング株式会社)
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PDBマーケティング藤田です。
毎週金曜担当ですが、今月は火曜が5回あるので、番外で担当です。
金曜とは違ったテーマ「ストックビジネス実践編への期待」です。

起業を考える上においてもストックビジネスとしての継続性確保は大きな
課題です。
昨日の大竹編集長のメルマガでは、実践編移行としてPDFのアドビ事例が
取り上げられています。

今日は私が20年前、12か月で通り過ぎたソフト流通事業のストック化が
できなかった経過を振り返ります。
アドビへの考察と併せて、皆さまの参考となれば幸いです。

まず、時代背景として業界のプレーヤー概要です。
ゲーム系ソフトは除きます。
ソフトメーカ:マイクロソフトWindows95,Word/Excelが量販店ソフト総
売り上げの50%のシェアです。一太郎のジャストシステム15%程度、そ
の他4000社との取引がありました。

販売店:ヨドバシ、ビック、ラオックスなど量販店、秋葉原など数百店舗、
法人向け代理店5000社です。流通ですからここが販売先です。
流通競合:あのソフトバンクです。ソフト流通をやっていたことを知らな
い人も増えています。その他カテナ、商社系流通会社数社。

市場は、年間30%増加を継続でした。
営業日報では毎日1億円の売り上げです。社員300名、配送倉庫は3か所。

ストック化の課題という観点はなかったのですが、付加価値の追求は大き
な意味を持っていました。
毎日1億円の半分5000万円のMS社ソフトの売り上げがあるのですが、利
益はありません。当然ですが、販売先の取引流通はソフトバンクもいます。

同じパッケージですから、価格しか競争がありません。
粗利益1%での出荷もあります。
流通コストがありますから、実態赤字です。
バンクに負けるな、と営業は頑張ります。
市場拡大期はそれでも回ります。

市場に流通としての存在感を持っているうちに、付加価値の追求です。
ヒットもありました.
ネットスケープナビゲータのライセンスを取得して独自パッケージ。
低価格高速モデムの自社ブランド販売。

収益に寄与したのですが、持続しません。モデムは回線環境が変化し、TA
に代わります。後継製品の開発が遅れます。メーカでない弱みです。
いつも新規のアイデアを出し続けて商品化する必要があります。
ソフト流通としてのストック化はできなかった。

アイデアを出し続ける環境は、人材育成効果はあります。
当時の企画担当課長がドワンゴ/カドカワ川上さんです。
モデムの通信環境で対戦ゲームサービスを当時から追求していました。

コストがかかる紙箱パッケージから、CDライブラリとライセンスキー方式
への転換も検討、試行されました。
うまくいかない。そうです、過半数のシェアを持つ、MSとジャストが乗ら
ない。その他大勢のソフトでは魅力がありません。

販売最先端の店舗にとっても、売り上げ減です。
進める理由がありません。
業界が進むのは、付加価値追求よりも、業界秩序=利権確立です。
統合合併の話題が走ります。マイクロソフトも流通支配に関心を持ちます。

私が担当部長として、参画してから11か月。上場会社への事業譲渡で終
結です。そのとき瞬間的にソフトバンクの流通シェアは75%を超えたとい
われます。
流通革新は起きていません。

現在では、ダウンロード販売は、通信環境変化により、ソースネクストな
どが事業展開しています。残念なことにソフト流通の機能として、販売ソ
フトの評価がかつて大きかったのですが、簡素化、コスト低減の結果でし
ょうが、放棄されています。完全に取次に特化です。

流通のストック化は、いくつかの視点があります。
中抜き的な簡素化だけでは、直販に置き換わっていきます。
独自ノウハウによる商品の評価が付加価値とならないと、ストック化はむ
つかしい。

もっと大きな要素が環境変化です。
ダウンロード販売は、通信環境の変化なしにはあり得ませんでした。
さらにインターネット環境進化は、ダウンロードも不要になっています。
クラウドサービス=SaaS(Software as a Service)への変化です。

ソフトバンクのストック化は対象事業の転換です。
ソフト流通の視点から有望と見たメモリ会社買収、展示会運営、そして大
手が独占してきた通信キャリア参入です。
価格破壊で参入し、その後は参入障壁に守られたストック利益を確立です。
通過した事業は、あくまで通過点。

ビジネスのストック化の実践は必須です。
バンク流の大きな力で参入はできないので、それぞれのやり方を追求しま
す。
4月7日からの「ストックビジネス実践会」期待しています。

詳細案内は下記にあります。

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▼プロフィール:インスクエアメルマガ編集委員、営業支援担当、起業塾長
・氏名:藤田 幹夫(ふじた・みきお)64歳
・出身:香川県丸亀市
・出身高校/大学:香川県立丸亀高校/京都大学理学部
・役職:PDBマーケティング 代表取締役
 知恵と工夫で、コンテンツアグリゲーションを追求します。
・mail:fujita@p-db-m.com
・経歴:1974年 株式会社日本ビジネスコンサルタント 入社
    1987年 兼(財)データベース白書編集委員2008年廃刊まで
    2009年 PDBマーケティング株式会社代表就任(現在に至る)
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