『事業取得の資金調達』 インスクエア ビジネスニュース Vol.997
■[ インスクエア ビジネスニュース ]■
エイジレスな起業支援
インスクエアが送る最新!ビジネス情報
■━━━━━━[vol.997] 2016/04/05━■
メルマガ無料購読申込はこちら
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
01本日のコラム -
事業譲渡の資金調達
…………………………………………………
松澤 和重(株式会社CNETメディアサービス)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは。
ITサポーターの松澤です。
先月も少し触れましたが、3月に富山の会社からデータ復旧の事業譲渡を受け
ました。会社を大きくするのに一番手っ取り早いのは事業譲渡を受ける(=事
業を買う)ことだと思います。元々少ない人数でやっていますから、仕事を増
やして人材を育てて、という余裕がありません。当メルマガでも言及がありま
したが、時間を買うという意味で大変有効です。
今回は、これ以上ないというくらい小規模な事業譲渡なので、経験という意味
では最適なケースだと思います。小さいと言っても、小さいながらに以下のこ
とは必要です。
事業戦略(なぜ買うか)、査定(いくらで買うか)、雇用(中途採用)、営業所設
立、資金調達、取引先や権利関係の引き継ぎ、等々。
売る方にも事情がありますから、のんびり考えている時間もありません。また
変な期待も持たせても意味がありません。規模的にもその時々瞬間での判断と
なります。
今回のメルマガは資金調達についてお話ししたいと思います。
一番苦労するのはやはり資金調達です。念のため複数の金融機関に融資を申し
込むことにしました。
複数の金融機関への同時融資の申し込み、しかも事業譲渡です。経験がありま
せん。以下が素朴な疑問でした(素人が悩んだり逡巡する理由はこの程度のも
のです)
①事業譲渡ということを言った方がいいか言わない方がいいか
(ではなんと言ったらいいのか)
②複数の金融機関に平行して申し込むのは普通のことか。
③それを金融機関に言った方がいいのか言わない方がいいのか。
この3つの疑問についてどうだったのか、、、それは後の方で。
今回は政策金融公庫と地元の信金から借り入れをしました。政策金融公庫は借
り入れ実績があり、残債はありましたが借換えで実行してもらえました。
政策金融公庫は実績があると結論が出るのが早いのに驚きました。結論が出る
のに3営業程度、融資実行まで含めても10日もかかりませんでした。
また、店舗に行ったのは最初の1回だけで、あとはインタビューも電話で済ん
でしまいました。公庫のこのスピードには本当に助かりました。
信金の提案は渋谷区の制度融資でした。4年前はダメだったので再挑戦ですが、
前回は移転したばかりで区の斡旋を受けられなかったのが違いです。
まず渋谷区から斡旋を受ける手続きと面接、それから東京都信用保証協会の保
証を受ける必要があります。渋谷区の斡旋は一通りの決算書の審査とインタビ
ューでパスできました。信用保証協会の面接はなかなか手ごわい感じでした。
と言っても、ある一点を除いては別に隠すこともないので淡々としたものです。
一番の問題は、「なぜお金が必要なのか」を説明することです。希望した金額は、
当社の規模では運転資金にしてはちょっと大きいかなとは思いましたが、すば
り聞かれると困りました。というのも、信用保証協会には事業譲渡を受けたこ
とを黙っていたからです(もしこれを読んでいたら次からはダメかも、汗)
そこで、先の3つの疑問について今回どうしたかです。
まず、①事業譲渡ということを言った方がいいか言わない方がいいか、につい
てです。金融機関はとにかく新しいことには融資しないらしいです。前向きで
一番お金が必要な局面なのですが、これにはがっかりです。政策金融公庫の担
当者も信金の担当者も同じことを言っていました。公庫には事業を買いたい!
と胸を張って言い切りましたが、担当者の方は「関連事業の拡大ですから運転
資金ですよね!」と直してくださいました。ご担当の方は、事業譲渡では融資
がおりないことを知っているからです。お心使いに感謝しました。
といいうわけで、融資の目的に事業譲渡ということは言わない方がいいのだな
と察しました。よって、保証協会には黙っていようと判断したわけです。する
と、なぜお金が必要なのかの合理的な説明がうまくできず、その点だけはしど
ろもどろでした。なんかあるなってわかってしまいますね(笑。
②複数の金融機関に平行して申し込むのは普通のことか。
③それを金融機関に言った方がいいのか言わない方がいいのか。
これらについては、複数申し込むのは当たり前のようですが、それを言うか言
わないかは本当にわからなくて、コンサルや銀行出身の税理士にも意見を聞い
てみましたが、結論は、それとなく話すということでした。よって、信金には
公庫にも申し込んでいる旨をさらりと伝えました。とくに反応はありませんで
した。
というわけで、なんとか無事資金調達ができました。
重要なポイントはよい担当者につくかどうかだと思います。よい担当者は真剣
に、なるべく融資が受けられる環境を作ってくれます。もちろん、そう思わせ
る努力も必要です。事業譲渡や資金調達などというものはなかなか機会がない
ですから、何かの参考になればと思います。
余談ですが、信用保証協会には事業譲渡のことをはっきり言わずに適当にぼか
して言ったので、融資が決まるまでは余計なことを言わずにおとなしくしてい
ようと思っていたのですが、富山の取引先への説明上、富山営業所の住所をホ
ームページに載せていました。すると、融資が決まる前日に電話があり、「富山
に営業ありましたか?」と確認がありました。富山で人を雇うことは話してい
たので、またまたしどろもどろに説明しましたが、この時はもう融資はダメか
なと真剣に思っていました。本当は察していたかもしれませんね。
なお、今回は、金曜日メルマガ担当のPDBマーケティングの藤田社長にコン
サルをお願いしました。わからないことや、普通はどうか、ということがわか
らないので助かりました。
最後に、最大の疑問。世の中マイナス金利ですが、金利はなぜかマイナスには
なりません!
では。
——————————————————————-
▼プロフィール:
・インスクエア公式サポーター IT担当
・氏名:松澤 和重(まつざわ かずしげ)
http://www.cnet-media.co.jp/contact
・所属:(株)CNETメディアサービス 代表取締役
http://www.cnet-media.co.jp
——————————————————————-