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『滞在型、ふれあい型ツーリズムと客の誘引』 インスクエア ビジネスニュース Vol.1111

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■━━━━━━[vol.1111]2016/09/27━■

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01 ┃本日のコラム -
  ┃『滞在型、ふれあい型ツーリズムと客の誘引』
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  ┃ / 重村達郎(弁護士)
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 多治見支部での欠陥住宅裁判の日程にあわせて、連休にドライブがて
ら、信州上松町にある赤沢自然休養林と恵那市にある岩村城趾―岩村町
を訪れました。
遠隔地の裁判で1,2年通ううちに、付近の渓流と温泉は大体制覇して
います。

 尾張藩が「檜一本首一つ」と言われたほど厳格な森林の保護・管理を
したことから、木曽には日本三大美林の一つとして、樹齢300年以上の
檜の天然林が残っており、赤沢自然休養林は日本における森林浴発祥の
地とされています。

 この自然林の中に営林署の職員らが作業用に建てた宿舎が、現在は大
人限定の宿として春から秋まで営業していて、地元でとれた山菜やキノ
コ等を中心にリーゾナブルな価格でおいしい食事がいただけるのです。
 
 周りに人家はなく、夜は静寂が支配します。かつて訪れた、原生林の
中にプチ・ホテルだけがある北海道・北見郊外のチミケップ湖を思い出
しました。
 
 素人が作っただけに部屋の床が明らかに傾いていたり、風呂も作業員
用だったためか広くて深いのがご愛敬ですが、森林と清流以外何もない
ところで、熊除けの金属棒などもある整備された散策コースをめぐった
り、日本で唯一現存している森林鉄道に乗ったりしながら、ゆったり過ご
すにはもってこいです。
 
 遠目からは杉と檜の区別も満足につかない私にとって、木曽五木の中
で、檜とその幼木ではないあすなろ(ひば)、サワラ、ネズコを区別する
のは、散策コース中の標本木を交互に見比べても難しいていたらくです
が、檜の香りの良さと森林浴の爽やかさだけは十分体感できます。
 
 車には釣道具も積んでいたのですが、付近一帯は禁漁区で、イワナに
とっても天国です。前日来の大雨で木曽川はすさまじい濁流でしたが、
休養林の中の川は一夜明けると清流に戻っていました。水も超軟水でミ
ネラル豊富です。
 
 次に訪れた岩村城跡は、奈良の高取城、高梁市にある備中松山城とと
もに日本三大山城とされ、霧が深いところから別名「霧ヶ城」とも呼ば
れています。標高700米余の所に作られた城郭は要害堅固で、麓から石
畳の道を徒歩20分程、途中、苔むしたいかにも古城といった趣の石垣
が幾重にも残っています。
    
 岩村城は鎌倉時代に作られ、織田と武田の戦などを経て、明治の廃城
令で取り壊されるまで藩主がいたのと比較して、近年人気の「日本のマ
チュピチュ」と言われる北近畿の竹田城は三大山城に選ばれていないと
のことです。城の故事にちなんだ「女城主」という地酒などもあります。
 
 付近には「農村景観日本一」を標榜する小高い丘の展望台もあり、ま
た、麓の岩村町には、旧い商家やレトロな看板が目立つ昔ながらの街並
みが1キロ以上続いていて、店先をのぞくだけでも懐かしい気分になり
ます。
 
 なぜか、岩村町にはカステラ屋さんが多く、メインストリートは電柱
が全て撤去されていて、すっきりとした印象です。中央本線の恵那駅か
ら一時間に一本程度のローカルな明知鉄道に乗り、岩村駅から歩いて訪
れることができます。
 
 岩村の人達が歴史資源を活用し、町おこしにも懸命に取り組んでいる
のは伺われるのですが、いかんせん未だ知名度が低く、東京や近畿から
わざわざ訪れようとする人は少ないようで、小雨混じりとはいえ、休日、
頂上の本丸跡まで行っても古びた説明板のみで、数組くらいしか観光客
に出会いませんでした。
 
 奈良井や妻籠・馬籠宿は取り上げても、岩村を頁を割いて紹介してい
る旅行雑誌はほとんど見かけません。そのぶん、地元の店で買った農作
業用の大きなざるは他の観光地の1/3程度の価格、麓や町中の駐車場
も料金不要というおおらかさです。
 
 他方、赤沢自然休養林へは夏や紅葉時期のシーズンには大型バスが何
台も入り、宿には東京や大阪方面からのリピーターも多いそうです。
 
 先日、テレビ番組で、日本で一番知られていない(存在感のない)県
は佐賀県、一番魅力に乏しいのは茨城県というアンケート結果が報道さ
れていました。
 
これからの時代、休養型、地元ふれあい型の旅行が一つのトレンドにな
ることが予感されます。HPや地元観光協会による宣伝だけで多くの観
光候補地から選択してもらえるか否か、いかにリピーターとして引きつ
けられるか、智恵の絞りどころです。三大美林と三大山城、観光資源は
いずれも一級品ですから。

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▼プロフィール:
・氏名:重村達郎(しげむらたつろう)
・ひまわり総合法律事務所 弁護士(大阪弁護士会)
  t-shigemura@himawarilaw.com 
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京都大学法学部・経済学部卒
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